ピアノを弾く

「ピアノを弾く」は「音楽そのものを学ぶ」

音楽という大きな建物を完成させるためには、
土台、基礎、骨組みは強固でなければなりません。
音楽の家の土台、基礎、骨組みの役割を担うものが、
『テクニック』と『ソルフェージュ』です。

聴音、視唱、リズム、音程、移調、楽曲分析、理論、音楽史、など
とても幅広い意味があります。

こんなことを言われたことがありますか?

「もっと自分の音を聞いて」「また音の読み間違いがあるよ」「リズムがちがうよ」
「もっと早く仕上がるといいね」「もっと感じて、うたって」「もっと考えて演奏して」
「毎回言われたことを直してきて」「なぜ気づかないの」
「もっとこう演奏したいとかないの」「もっと曲のイメージをもって」

当たり前になっていること

通常ピアノや楽器のレッスンでは、演奏9割、ソルフェージュ1割(あれば良い方でない場合もガーン)と、そのほとんどの時間を演奏に割いています。
そんなに時間を割いているにもかかわらず、なぜか楽譜や音符がスムーズに読めない、リズムがとれないなど、基礎的なことに時間をとられて、毎回レッスンが終わってしまいます。当然、ピアノ演奏に関する音楽的な深い部分までたどり着けないままです。

世の中が便利になったら、本物の音楽が消えた。

時代は流れ、手軽で便利なものが求められる時代になり、
世の中はシステム化され、皆が平均的に良い生活が送れるようになりました。
それとともに、音楽教育もシステム化され、音楽工場は機械で同じ製品を作るかのように、手軽にたくさんの子どもたちに同じことを教えていきます。
その中で求められてきたことは、いかに速く、気楽に、手軽に、効率よく、学べるか。演奏できるか。教えられるか。

そうやって、身軽になった演奏だけがひとり歩きし、音楽の本質や、音楽のかなめであるソルフェージュは遥か遠くへ追いやられ、
真実の音楽、芸術の音楽は影をひそめていったのです。