なぜコンクールに落ちるのか。
毎年コンクールを受けているのに受からないんです。練習しても上達しないんです。
そんなことを時々耳にします。
どうしてでしょうか。
練習が足りないから?
いいえ、違います。
どんなに練習しても、あることが抜け落ちていれば、残念ながら無駄な努力となってしまいます。
ではどうすれば、素晴らしい演奏、質の高い魅力的な演奏が出来るのでしょうか。
魅力的な演奏にはある共通点があります。
例えば、部屋にある家具の配置が一部に偏ってバランス良く配置されていなかったり、
物が散らかっていては落ち着くことが出来ません。
作品(曲)とういうお部屋も同じ。
音楽はその時代や曲のスタイルなど多様ですが、
散らかっていたり、バランスが悪かったりすれば、
聴き手がその部屋(曲)に入って受け取る印象は、まず、
・・・部屋片付いてないな、きたない・・・
なのです。
演奏者がどれだけの感情を曲に込めようとも、なんの意味もありません。
まず、部屋の散らかりが気になってしょうがないのですから。。。
願って届くような魔法ではないのです。。。
そのお部屋を片付け、整理整頓し、適材適所に家具を配置出来ること、
それがIMA PIANOが最も大切だと考える「ソルフェージュ」なのです。
ソルフェージュを学ぶことは、家の土台、基礎、骨組みをしっかりと作ることでもあります。
家の外装を綺麗にして、内装にこだわってシャンデリアをつけてキラキラに飾ろうとも、
家の土台、骨組みがしっかりしていなければ、その家は崩れてしまいます。
こだわった内装も、無意味になってしまうのです。
もちろん、ただ整理整頓だけをすればよいのか、ということではありません。
同じように、音楽、作品も時代やスタイルは曲によって違いますし、
1曲の中でも様々なリズム、ハーモニーは止まることなく流れ、移り変わっていきます。
整理整頓された音楽だけをするのではなく、
そのように柔軟に、適材適所で様々な選択をしなくてはなりません。
これらを叶えるために、
IMAの特徴である、様々な角度から学び、Integrate『統合する』レッスンを行います。
コンクール指導や受験のためのレッスンで、よく、
もっと表現しなさい、表現力が足りない、などと聞きますが、
いくら表現などの外装、見栄えにこだわったところで、
基礎、骨組みがしっかりしていない家は、まず家としての機能をはたしていないのです。
逆に言えば、基礎さえしっかりしていれば、外装も内装も思いのままです。
音楽表現はテクニック、ソルフェージュなどのその他がきちんと機能して初めて成り立つものなのです。
基礎、土台のない上に、「表現のみ」存在することは出来ないのです。
簡単にいうと、ソルフェージュがしっかりしていることが、
演奏力を高めるため、音楽を深めるために避けて通れないものなのです。
そして、コンクールは受かろうとするものではありません。
あくまで合否は基準にのっとって決められただけのことであり、
参考程度にすべきだと思います。
それより自分がどう音楽と向き合うのか、音楽をどのように深めたいのか、
そのためにコンクールというものを利用するだけだと思っています。
イリエブ氏がコンクールに熱心な生徒さんにこう言いました。
毎日がコンクールだよ、と。
本当にそのとおりだと思いました。
本番の日が大事なのではなく、日々の方がもっと大切です。
あくまで自分が上達したいという気持ちが大事です。
コンクールに振り回されないようにしたいですね。
そして、最後に。
ソルフェージュを基盤とし、統合して学ぶ。
そのうように適切なプロセスを通れば、
かならず演奏力、真の実力という『結果』はついてきます。
良い演奏、質の高い演奏は、正しいプロセスの『結果として』自然とついてくるものなのです。
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